税理士事務所というと、お堅く知的なイメージがあるかもしれませんが、実際は長時間労働が慢性的。
ここでは税理士事務所のストレスあるある4つの要因とその対処法を紹介します。
税理士業は時間外労働が多く申告期限に縛られて繁忙期にストレスを抱えやすい仕事です。
お客様要因と所長税理士の方針によってはこれが顕著。
基本的には
- お客様からの資料の回収を早め早めに行う。
- 自分のスケジュール管理を行い、いつまでに作業を終わらせたらよいか決まりを作る。
- 日々ストレスの発散方法を見つける
ことがストレスと付き合う良い方法。
税理士事務所はワンマン経営がほとんどです。
労働環境をあまり考慮しない所長税理士の場合は、
きちんと引き際を決めておくべきでしょう。
税理士事務所勤務の税理士にありがちなストレス4大原因
1)お客様から資料が来ない。来ても全てそろっていない
税理士業はお客様から資料を預かって受け取った資料を基に試算表や決算書、申告書の作成といった業務を行っていきます。
当然のことながら資料が一切来ないとまったく仕事が始まりません。仕事が始まらないとどんどん作業できないまま時間が経過してしまいます。
問題は申告書の提出期限でこの日を1日でも越えると無申告加算税といって余計な税金が発生し、
そうなるとお客様からクレームがきてしまいます。
税理士事務所側の都合で発生した申告書作成の遅れに対しては事務所側で無申告加算税を負担しなければなりません。
2)長時間労働(特に申告期限間近)
申告期限が間近に迫るとどうしても残業が増えます。
特に個人の確定申告の時期(毎年3月15日)になると確定申告のために残業が多く場合によっては徹夜することもしばしばとなります。
数字を見続ける作業が多く、どうしても目を酷使します。
最後には体力勝負な部分も多くあり、税理士事務所によってはそのような状況が常態化しているため、採用する場合は体育会系の人間に絞って採用活動しているところもあるぐらいです。
3)制度改変に伴う作業内容の増加
税理士業は最終的に税務署や地方公共団体などの官公庁へ申告書を初めとする書類を提出することが最終のゴールとなります。
ここで面倒なのは税制改正やその他の制度改正によって作成すべき資料が変わってくることです。
マイナンバーなど制度改正に対応→業務増
毎年変わらないスタンダードな部分は多くありますが、制度改正によって摘要内容が変化するします。
それに合わせて勉強が必要ですし、お客様から求める資料も変化します。
昨今ではマイナンバー制度が開始された結果、お客様のマイナンバーを預かるためにどのような目的で預かるか?や保管に当たってリスクをなくすための仕組みづくりが求められます。
4)税理士もやはり人間関係がストレスに

お客様との人間関係だけでなく、事務所職員間の人間関係も大きなストレス要因です。
事務所内での作業時間が長いため同僚との人間関係が悪化すると大変です。
ストレスで限界になる瞬間、心配される症状や病気
税理士業界でストレスが限界になる時期はまず、個人の確定申告時期(毎年3月15日)。
毎年12月ごろから年末調整がスタートして「やっと終わったか」と思うと、
つぎは償却資産税の申告(1月31日)それが終わると個人の確定申告シーズンに突入します。
毎年のことではありますが、
2月末から3月15日までは気を抜くことが出来ません。
そして3月15日が過ぎると一息入りますが、その次は5月末が山場となります。
これは3月決算法人の申告期限が5月末になっているため。
世の中の会社のおおくは3月末を決算時期としているため、5月末は大忙しとなります。
このような山場の時期に心配されるのは、過労による体調不良です。
私も経験しましたが3月15日を過ぎてほっとしたとたん体から力が抜けて寝込んだことがあります。
税理士の3つのストレス対処法
1)税理士業として普段から出来るストレス対策
まず、お客様のところの資料回収を可能な限り早く行うこと。
こまめに電話連絡を行い、多少嫌がられても催促を繰り返していつ資料を送ってくれるのか?資料がない場合にはどうするのかを相談しておくことでしょう。
これを怠ると時間不足になり自分が困ることになります。作業は2の次でもいいので資料の回収を優先しないといけません。
もう一つはスケジュール管理を徹底すること。
何をいつまでに行うかは決まっていますので後ろから考えて事前に何をいつまでにやらないといけないか自分のスケジュールを管理することでしょう。
2)税理士業における根本的なストレス対策
そもそも無理な作業は受注しない
税理士事務所の繁忙時期は決まっていますので、
その時期に出来そうにない仕事を受注するのは無理を重ねるだけ。
無理な受注を繰り返す税理士事務所は、早めに見切りをつけて転職を検討するほうが良いでしょう。
入社前にトップの人格を見極める
税理士事務所は基本的にワンマン経営の個人事務所。
税理士法人もほとんどワンマン経営ですのでトップの考え方が全て反映されます。
入社前にトップがどのように考えているかは可能な限り把握したほうが良いと思います。
3)普段できる手軽だけど効果的なストレス発散法
税理士は事務所にいる時間が長くなりがち。
だからこそ、毎日の通勤時やお客様のところへ行くときは、ちょっと違う経路を通って気分転換するのが良いと思います。
またベタですが帰りに一杯呑むのもありでしょう。
「ここがストレスの限界!」異動・退職・転職を考えるべき」タイミング
ストレスが溜まる兆候は人それぞれですが、
朝起きて体が動かないときは要注意というかアウトだと思います。
あとは頭が休憩しても働かない、もしくは目が痛くて文字が見れないなどという場合は、なんらかの根本的な対策を考えるべきです。
そのまま無理して続けても体や精神を損なうだけです。
一度体を壊してしまったら、特に精神を病んでしまったら取り戻しはとんでもなく時間が掛かります。
また、あなたが行う仕事を他の方が急に代行しなければならなくなった結果として他の方が苦しむことになります。
繁忙期前に上記のような兆候が出るようであれば早めに所長税理士に相談して仕事量を検討すべきと思います。
税理士で大きなストレスを抱える方へ
まず、税理士業界やそのほかの士業で大きなストレスを抱えている方はまず、
- 作業内容や作業量に無理がないか?客観的に振り返り、
- 根本となっている原因が何かについてしっかりと見極めをしましょう。
そのとき注意しなければならないのが、
- お客様によって発生している問題なのか?
- それとも事務所内の事情によって発生している問題なのか?
を検討することでしょう。
お客様によって発生している問題であるならば、お客様と共通コンセンサスをまず得ることに力点をおきましょう。
その上でコンセンサスが破られるなら所長税理士と相談です。
場合によっては顧問契約の解除を検討してもらってください。
他方、事務所内の事情による場合ですが、これは所長税理士が問題に対処してくれるかどうかによって対応が異なります。対処してくれれば良いのですが、所長税理士が悪い場合には対処どころか悪化しますので転職を検討しましょう。
税理士業界へ就こうと考えている方へ
この業界はワンマン経営ですので所長税理士しだいな部分があります。
所長税理士の性格を見極めて事務所を決めてください。