「生産装置の導入・立ち上げ」や「運用管理」する技術員をしています。
この仕事は大変なイメージがあると思いますが、事実です。
ここでは、その業務で発生する4つのストレス原因と3つの対処法を紹介します。
半導体部品製造業界の技術職は、工場内外からのストレスが多い仕事です。
また、生産工場は24時間運営されているところが多く、気が休まる日が少ないです。
これより精神的な苦痛が多く自律神経失調症を患う方が非常に多いです。
根本的なストレス対策として、規律正しい生活や関係者円滑なコミュニケーションを培うことが大切です。
ポイントは、
- 不規則な勤務だからこそ、早寝早起き、3食をきっちり取る
- ノミニケーションなど、関係者とコミュニケーションをしっかり取ること
- 趣味をもち、会社生活を忘れる環境をつくること
です。詳しくご紹介します!
半導体部品製造メーカー・エンジニア(技術職)にありがちなストレス4大原因
1)得意先からの様々な要求が非常に厳しい
半導体の部材は、PCを始めとした電化製品に使われることが多いのですが、価格下落が非常に激しいです。
得意先の値引きも非常に激しく1年前の販売価格が、半値以下になることもよくあります。
その要求に対応していくこと至難のわざ。
かなりの無理強いを受ます。
これは本当にストレスが溜まります!
2)工場のあらゆる部門からのプレッシャー
得意先の要求は、工場製造部門の原価削減に直結して結びつく場合が多いです。
このため、製造部門は可能な限りラインを止めないようにします。
技術員は、製品を改善・開発するために、様々な施策を講じますが、製造部門はこれによるライン停止を極力嫌います。
そのため失敗することによるライン停止は原則認められません。
しかしながら、失敗ゼロということはあり得ず、その度に製造部門から怒られます。
3)非常に短期間の納期を求められる
半導体部品の出荷遅れに対するペナルティが厳しいです。
万が一遅れた場合、得意先よりクレームをうけます。
その納期のずれは1日レベルのものではなく、1時間レベルのものでも遅れないことを要求され、場合によってはクレームだけでなく損害賠償まで発展する場合があります。
出荷日は平日だけでなく、土日もありますので、これが発生しない様に、24時間365日、常に注意している必要があります。
この様な気の休まらない環境が、大きなストレスを招きます。
4)24時間緊急対応をしなければならない環境
基本的に、半導体部品の工場は24時間稼働しています。
装置が故障した場合、担当技術員は24時間電話で呼ばれる事になります。
遊びに行っている時も、夜眠っている時も関係なく…。
そして、対応できなければ生産ラインが停止するため、工場関係のあらゆるひとから対応することを強要されます。
この様な工場に自分が支配されている様な感覚により気が休まる時がなくなるため、非常にストレスになります。
ストレスで限界になる瞬間、心配される症状や病気
技術職でのストレスがエスカレートしていくと、「胃痛」や「頭痛」「不眠」などが発生します。
いわゆる自立神経失調症。
重度になると慢性的な「めまい」「耳鳴り」「発熱」などに発展し、生活に影響するレベルの病状に発展します。
私は「手足のしびれ」「吐き気」「胃痛」「めまい」「発熱」「耳鳴り」を併発し、3ヶ月仕事を休みました。
3ヶ月して会社に復帰しましたが、その後も半年間は精神安定剤を常備薬として服用することを余儀なくされました。
そして、その後も1年のうち数ヶ月は「胃痛」や「めまい」を慢性的に患う様になりました。
医者にいっても抜本的な解決にはならず、「自律神経失調症」と判断され精神安定剤をもらう日々を送ることになりました。
半導体部品製造業エンジニアの3つのストレス対処法
1)工場の技術職として普段から心がけたいストレス対策
工場の技術職は、時間を無視した対策を求められるため、不規則な生活になりがちです。
この状況は自律神経失調症が発生しやすい状況をつくっています。
これを解消するには、可能な限り規則正しい生活をするべきです。
特に意識すべき重要なことは2点です。
時間を決めて早寝早起きをする
2点目は、3食しっかり食べる
これを行うことにより体のバランスを最低限保つことが可能になります。
2)根本的なストレス対策
根本的な対策は、ストレスが発生する状況を作らないことです。
しかしながら、エンジニアは生産の中で何かが起こることを防ぐことは難しく、従ってクレームを起こさないことは難しいといえます。
なので、ポイントとなるのは、「人間関係」。
結局のところクレームを訴えるのは人間です。
もし、人間関係が普段から非常に良好であれば、クレームを言う側の言い方も大きく変わります。
つまり、人間関係が希薄であれば非常な怒りとなりますが、もし濃厚であれば怒られるにしても人情のあるものとなるでしょう。
ストレスの発生を抑えるには、関係者と密接なコミュニケーションとることが重要な対策になります。
定期的なノミニケーションも大切です。
3)工場の技術職ができる手軽なストレス発散法
スポーツやゲームなど趣味を持つことが大切です。
休みの日に可能な限り仕事のことを考えない環境が必要です。
「ここがストレスの限界!」異動・退職・転職を考えるべき」タイミング
ストレスがあるレベルまで行った時、体に変調をきたしてくると思います。
もし、体に変調をきたしたらすぐ医療機関への診察を受け、上司に相談し、会社を休むべきです。
その際に、医師診断書等をもらってくることが大切です。
これをもらってこないと、会社としてはなかなか理解を示してくれないかもしれませんので、必ずもらうようにしましょう。
しかし、これらのプロセスを踏むことで、現在の企業は大抵休職することが可能になります。
それでも万が一、これが許されない様な職場環境であれば、企業として労務環境が異常であると判断してしまっても良いと思います。
この様な場合は、復帰しても結局は再発するということも十分考えられます。
したがって、こういった職場環境であれば、転職を視野にいれていくことが必要だと言えるでしょう。
半導体部品製造業界で大きなストレスを抱える方へ
もし半導体部品製造業界でストレスを抱えているのであれば、まずは職場環境が正常かどうか確認することが大切です。
正常かどうかを評価するには、いくつか方法があります。
- 同業種・他業種両方の別会社の知り合いがいれば、意見を聞いて見る
- 転職セミナー等に行き、他の会社の業務環境を確認する
このように、第三者の意見を聞くことにより、自分の職場が異常かどうか判断が可能です。
また、職場の上司に正直に相談してみることも重要です。
現在の企業は、ブラック企業として認定されることを嫌いますので、相談に乗ってくれるところが多いと思います。
これから半導体部品製造業界に就こうと考えている方へ
この業界全般に言えることですが、この非常に流れの早い業界で、浮き沈みがある業界です。
今の瞬間が良くても、すぐに苦境になる場合もあります。
この様な時は、非常にストレスのある環境に変わって行きますので、十分に注意が必要です。